「ブラッド・ダイヤモンド」 2006年米 評価3.5


監督:エドワード・ズウィック
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリー他

2021年5月観賞

 アフリカのシエラレオネ共和国では残虐な反政府武装勢力のRUFがダイヤを密輸によって売りさばき、その金で大量の武器を購入していた。一方で先進国はその状況を黙認し、RUFが採掘するダイヤ目当てで戦争をいたずらに伸ばしているというのが実情だった。内戦に翻弄される親子、密輸に携わる元軍人、その状況を取材する記者の目を通じて、実際に問題になったダイヤを巡る世界情勢を描いた社会派作品。

 ダニー(レオ)の行動の源は現地の住民ソロモンが隠したというピンクダイヤモンドなのだが、それが実際に存在することを信じるに足る証拠がない中で、命がけの行動に出るというのがストリーの幹になっていてちょっと釈然としない気持ちを持ちながらの鑑賞になる。また、後で調べたらダニーが所属していた第32大隊は精鋭部隊ということらしいが、鑑賞中は知らないので、ダニーが超人的な戦闘能力を持っていることにも違和感がある。
 
結構重い内容でありながら銃撃戦が多く、またダニーがどんな苦境でも最後まで被弾もしない大活躍をするものだからエンターテインメント色も強く、ちょっと何を描きたいのかわからない印象を受ける。とはいえ、レオはやはり魅力があって上手いし、個性的な俳優陣も良いので観ている間に退屈はしない。