「喝采」 54年米  評価4(5点満点) メジャー度2

監督:ジョージ・シートン
出演:ビング・クロズビー、グレース・ケリー、ウィリアム・ホールデン

 ある売れっ子演出家は新しい芝居の主役に、自分の過失で小さな息子を事故死させて以来落ち目の元大スター歌手を起用しようとする。しかし当人は息子が死んで以来,精神的に変わり自分を常に監視する妻のせいで芝居に打ち込めないとしてかつての輝きを取り戻せない。演出家は妻を劇場から追い出し,元歌手を蘇らせようとするが…

 物語的には,「スター誕生」など似たようなものは多いのだが、もともと有名な戯曲の映画化なので、二番煎じという感覚はない。クロズビーも歌手でありながら,今回はなかなかの演技も見せている。それよりなにより,この年「裏窓」,「ダイヤルMを廻せ!」に出演し,その出演歴の中で最も輝いていた、夫の不振の原因という役柄を演じることで夫を支えてきた妻役のグレース・ケリーの美しさは特筆ものだ。

 そういえば最近,このような美貌と気品を兼ね備えた女優がいなくなったなぁ。「ダイヤルM」のリメイクでグゥイネス・パルトロウがグレース・ケリーの役を演じていて、気品のある女優という評価があるが,とてもとても美貌ではないし,どうも貧乏くさいスタイルと顔でいかん。