「アメリ」 2001年仏 評価4


監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトゥ、マチュー・カソヴィッツ、ジャメル・ドゥブーズ他

2021年3月観賞

 神経質な元教師の母親と、冷淡な元軍医の父親にフランスの片田舎で育てられたアメリは、父から心臓病と誤解されていたことから学校にも行かずに周りの人との接点のないまま、空想癖のある女性に育ち、23歳でモンマルトルのカフェで働いていた。ある日アメリは、自分のマンションのバスルームの壁の奥から、以前その部屋に住んでいた子のものと思われる宝物の入った小さな箱を発見する。彼女は何とか前の住人を探し出し、自身を知られないようにして返すことに成功。その当人が感涙して喜んでいたことを見て、初めて世界と調和が取れた気がしたアメリは、人をちょっと幸せにすることに喜びを見出すようになる。

 世界的なアメリ現象まで巻き起こしたヒット作(そういえば先日観た「レディ・バード」でも高校生が部屋にポスターを貼っていたな)。最初の方は、不思議系のアメリの行動についていけず、この映画観る価値あるか?と若干思ったものの、耳に心地よいフランス語と、色鮮やかな映像に、癖のある人たちを媒体としたちょっとした優しい行いという、この映画が醸し出す独特の雰囲気に段々と慣れ、脚本も良くできているので、次第には確かに嵌るな、という感想を持つまでに。

 あまり突き詰めて考えることは余計なファンタジーだし、本作も先日観た「レディ・バード」と同様、アメリと同じような心の欠片やちょっとした憧れを持っている女性に特に受け入れられる類の映画として存在価値は十分にあると思う

 オドレイ・トトゥは可愛い顔立ちをしていて2006年には「ダ・ヴィンチ・コード」のヒロインにも抜擢されたが、ハリウッドで人気は出なかった。逆に言うと本作の不思議なフランス女性という雰囲気があまりにぴったりすぎて、早くして生涯最高作を演じてしまったことが障害になったのかなと思う。