「アフタースクール」 2008年日 評価4
監督:内田けんじ
出演:大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、常盤貴子、田畑智子他
2021年2月観賞
母校の中学校で教師として働く神野は、同じ中学の同級生で大手の商事会社に勤める木村と今も付き合いがあり、自分の車を貸すほどの間柄。しかし、木村は神野の車を借りたまま家に戻らず、その代わりに同じく中学の同級生で、木村の勤める商事会社から木村捜索を頼まれたという探偵が尋ねてくる。神野は探偵との木村探しに巻き込まれるうちに、木村の行動が明らかになっていく。
内田けんじ監督作品らしい、脚本が良く練りこまれ、ストーリーが2転3転する展開が面白い。また、人が良くて極自然体の演技をする大泉洋やふわふわした感じの堺雅人が醸し出す雰囲気が独特で、そこに佐々木蔵之介というスパイスを加えて、俳優陣も実にいい塩梅。残り20分程度からの怒涛の伏線回収は爽快で、確かに振り返ると不自然なシーンはたくさんあって、もう一回観直したいなぁという気分にさせる。
これで主だった内田けんじの3作品をすべて観たことになる。どれもストーリーが面白く、一定レベルを常に超えてくる作品群なのだが、2012年の「鍵泥棒のメソッド」以来、長編映画を製作していないがどうしちゃったのかな?最近の映画はミステリーとなるとどんでん返しとか伏線回収とかそういう視点で面白いか、という観点でみられることが多く、その意味で、このような作品を作り続けることは大変なのだとは思う。私個人としては、それは面白さの一要素でしかなく、その観点のみに身構えて観るという姿勢は違うと思っているので、次作を期待している一人である。