「マンハッタン殺人ミステリー」 1993年米 評価4
監督:ウディ・アレン
出演:ダイアン・キートン、ウディ・アレン、アラン・アルダ他
2021年2月観賞
倦怠期に差し掛かっている夫婦のキャロルとラリーは、ある日、マンションの向かいに住む老夫妻のハウス氏にお茶に誘わわるが、日を置かずにその夫人が心臓発作で亡くなってしまう。しかし、愛妻が死んだにしては妙に元気な旦那に不審を抱いたキャロルはラリーとともにハウス氏を訪れ、目を盗んで台所で灰の入った骨壷を見つけてしまう。それ以降、キャロルの探偵熱に拍車がかかることになる。
ストーリー的には、興味をもって勝手に隣人宅を探ったら怪しげなものを見つけ、深みに入っていくというヒッチコックの巻き込まれ型サスペンスという趣なのだが、そこにいつものアレン節が加わって、良いも悪いもいつものアレン映画というテイスト。倦怠期の熟年夫婦が、刺激を求めて探偵まがいのことをするが、それはそれで解決し、夫婦間ではお互いにお互いしかいないよねと丸く収まるハッピーエンドも微笑ましい。
何と言っても本作の魅力は、ウディ・アレン&ダイアン・キートンの息ピッタリのコンビネーション。二人ともしゃべるしゃべる。かつては同棲していた間柄で、別れたって付き合いを続けているという大人同士でもあるので、表裏のないセリフのやり取りが楽しい。また、いくつになってもダイアン・キートンの着こなしがオシャレだなと感心。
ホームランは少ないが、一定のレベルは常にキープし、外れることも少ないアレン映画。さすがに安定感がある。