「オールド・ボーイ」 2003年韓 評価3
監督:パク・チャヌク
出演:チェ・ミンシク、ユ・ジテ、カン・ヘジョン、オ・ダルス他
2021年1月観賞
酒癖の悪いごく一般人のオ・デスは突然ホテルの一室に監禁され、15年後に突然解放される。彼は自分を捉えた相手を捜すが、そこに現れた謎の男ウジンは自分が犯人だといい、五日以内になぜ15年も監禁したのか当てろ、とゲームを持ちかける。日本の漫画が原作。
原作漫画は未読。薄暗い映像の中での暴力描写は特徴的で際立っているし、ストーリーもなかなか衝撃的ではあって、タランティーノが審査委員長を務めた2003年度のカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞したのも納得。
一方で、私は韓国映画を観たのは「母なる証明」に続きまだ2作目なので、これが韓国映画の特徴なのか分からないが、メインストーリーの運ばせ方が雑。本作でいえば監禁部屋には定期的に監視者が出入りしているので壁に地道に穴をあけていることはすぐ見つかるだろうとか、15年も毎食餃子数個しか食べさせられてもらえないのに、主人公は体力ありすぎだし超人的に強いのも納得できない。また、主人公一人対20人の悪党の戦いの映像はスタイリッシュではあるが、なぜ悪党はすぐ折れる細い木材しか持ってない?刃物は?なんで20人がやられる??催眠術ですべてを仕組むというのも鼻白む。ウジンは姉の自殺の際、ちゃんと両手で引っ張り上げて救えよ!とかとか。「母なる証明」でもそうだったが、映像としてのインパクトに重点を置きすぎて肝心のストーリーに筋が通っていないので、気持ちがストーリーに乗っていけず、衝撃度は著しく低下する。
私にとって映画批評の際の最重要ポイントは、ストーリーとそのための演出であり、それが等閑である場合、どんなに映像や音楽やらが素晴らしくても評価を上げることはない。