「心の旅路」 1942年米 評価4


監督:マーヴィン・ルロイ
出演:ロナルド・コールマン、グリア・ガーソン、スーザン・ピーターズ他

2020年12月観賞

 第一次世界大戦中に爆撃で記憶をなくした大尉はイギリスの精神病院で療養していたが、戦争終了の歓喜に沸く中、病院を脱走する。その夜に酒場で会った踊り子のポーラは、大尉が可哀そうになり家に匿い、そのまま田舎町で二人で暮らすようになる。やがて愛し合うようになった二人は結婚し息子も誕生。大尉の新しい作家としての仕事も軌道に乗ってきたが、契約交渉のため出向いたリバプールで大尉は交通事故にあってしまう。意識を取り戻すと、過去の記憶がよみがえるとともに、間近の3年間の記憶を失っていた。。。

 トーキー黎明期から人気を誇ったロナルド・コールマン(当時50歳)と、公開当時、大作に軒並み主演し乗りに乗っていたグリア・ガーソン(当時37歳)を主演に据えたスターシステム下で製作されたと推察される作品で、この当時のハリウッド映画によくみられる、劇中役の年齢との整合性度外視!色にいつも通り、まず違和感。十数年にわたる期間を描いているのだが、主人公二人の外見はほとんど変わらない。ガーソンが30歳から45歳を演じているとするのはまぁ許されるとしても、コールマンはやはり初っ端から50歳にしか見えないし、やっぱり違和感は拭えないよ。

 と言いつつも、この頃のほんわかしたストーリーと雰囲気は意外に好きなので、かなり細かいところでも無理が多いし、展開はまるで読めて意外性も何もないけども、鑑賞中は心地よい時間が流れ、ラストへの盛り上げ方がうまいので、最後はつい涙腺が緩んでしまう。