「ボルベール」 2006年スペイン 評価3.5


監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス、カルメン・マウラ、ロラ・ドゥエニャス他

2020年11月観賞

 14歳になる一人娘を育てるライムンダ。ある日、失業した夫が娘に性的関係を迫り、娘は父親を殺してしまう。ライムンダは近所のつぶれたレストランの冷凍庫に夫を隠した後、母方の伯母の葬式に向かうが葬儀の場で、3年半前に火事で夫とともに死んだライムンダの母が幽霊として出没しているという噂を聞く。

 ストーリーは段々とミステリー的な中身が明らかになり、そしてそれはラストに近づくにつれ回収されていき面白いことは面白いのだが、劇中起こる2つの殺人事件が杜撰な警察捜査が根底にあるのか、未解決のまま進む。その設定は、大戦後の混乱期とかならまだしも、スペインの警察事情がどうか分からないが、いくら何でも2000年あたりの状況ではありえないので、いまいち話に入っていけない。つらい過去を持ちながらも強く生きている女性達への賛歌であり魅力的な物語ではあるが、そこに焦点を置きすぎて、ベースが雑になった感。

 ペネロペの美魔女としての魅力はずば抜けており、それはそれで惹かれるのだが、映画の中ではちょっと浮いている。