「カメラを止めるな!」 2017年日 評価3.5


監督:上田慎一郎
出演:濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ他

2020年10月観賞

 30分生放送でワンカットのゾンビ映画を低予算で作るという受注を受けた日暮監督は、脚本を書き上げ、癖のある2流役者たちを集めてリハーサルを繰り返し、何とか当日を迎えるが、予想外のアクシデントが次々と起こる。

 2年前に低予算映画ながらヒットを記録。その時の情報、劇中劇という前知識のみを持ち鑑賞を開始。最初の30分では「なんだこの、大学の映画サークルが作ったようなチープな内容は?」と観るのを止めようかと思ったが、その後、それは日暮監督が製作したTVムービー「ONE CUT OF THE DEAD」と判明。それからは当該映画製作の裏事情の種明かしとなるのだが、冒頭の30分映画を普通に観ていればおかしな場面には簡単に気付けるので、種がどこに蒔かれていたかがわかっている中での振り返りとなり、種明かしされても「なるほど!」ではなく「そういうことね」ぐらいにしか感じられず、あまりすっきり感はないし、もう一度観返す必要もない。

 初めの30分のチープさもあるし、きちんと製作した良い映画と同等の評価にはできるわけもないが、それでも、低予算の中で、適度に家族愛や雇われ監督の苦悩などもちりばめてアイデア勝負で頑張った映画と称賛はできる内容。