「ルパンVS複製人間」 78年日  評価4(5点満点) メジャー度3

監督:古川惣司
出演:アニメ

 もともと日本のアニメベスト3といえば、「ルパン三世」、「タイガーマスク」(古めかしい人情あふれる涙もののプロレスアニメ)、「天才バカボン」(一番最初の作品。パパもかわいく、とてもいい人。「元祖」以降は駄作)と個人的に決め付けている。その中でもルパン三世の1作目と2作目は、少年期に、ルパンと次元のはちゃめちゃだが仕事の腕は一流というキャラクターと、五右衛門の渋いがお茶目な純日本的カッコ良さ、不二子の大人の色気に大いに惹かれたものだ。

 この劇場公開1作目の本作はアニメシリーズ1作目のワイルドなルパン達を基調としており、それぞれのキャラクターの個性が十分に描かれている(銭形だけは中途半端だが)。すでに見たことあると思っていたが、見てなかったという思いがけないうれしさで非常に楽しめた。

 しかし、楽しめたのはただ単にノスタルジーだけからではない。欧州の名画をちりばめたマモーの館など、シュールな美術、画面切り替えも斬新である。20年前ということで、確かにアニメ技術も未熟だし、音声も良くないが、それを補うアイデアと冒険がそこにはある。ルパン劇場作品の中でも「カリオストロ」と並ぶ人気があるというのもうなずける。

 ルパンと次元はワイルドではちゃめちゃで、五右衛門は渋く名セリフを連発。不二子は惜しげもなくヌードを披露し、「カリオストロ」が万人向けなら、この映画は大人が楽しめるアニメに仕上がっている。