「隣人は静かに笑う」 1998年米 評価4.5

監督:マーク・ペリントン
出演:ジェフ・ブリッジス、ティム・ロビンス、ジョーン・キューザック、ホープ・デイヴィス他

2020年9月観賞

 2年前にFBIに勤める妻を捜査中に亡くし、大学でテロリズムの歴史を教えているマイケルは、ある日、路上で大ケガを負った少年を助ける。少年は隣に住むラング家の長男であり、これがきっかけでラング家と親しくなっていくが、ラング家の主人オリバーに宛名違いの手紙が何通も届いていることに疑問を持ったマイケルは、オリバーの過去を調べ、彼のこれまでの素性を知ることになる。

 初めは邦題の印象から、サイコな隣人が段々と主人公とその息子を追い詰めていくようなスリラー/ホラー系の映画かと勝手に想像していた。確かに途中までは予想通りだったのだが、中盤を過ぎるころからまさかの急展開。結末を検索しないで観ることをお勧めします。(以下、ネタバレ)

 本作は衝撃的な結末となることからアメリカ公開が遅れたといういわくつきの映画(日本公開のほうが早い)で、本作公開の2年後の2001年に同時多発テロが起きており、内容は非常に先取りしたものだったということ。

 まぁ、特に身体的な強靭さを持っていない大学教授がたとえ子供を取り戻すためとはいえ、テロリスト相手に丸腰で追跡をするだろうか?というところや、細かくは追跡時にバスに衝突してかなり大破した車が次のシーンでなぜか自己修復しているというおかしな点はあるのだが、。それにも目を瞑れるぐらいのストーリーとさらにラストのえぇ!そういうこと?!という妙に現実味のある驚愕のオチで、雑な点への引っかかりは吹き飛んでしまう。

 古くは、JFKの暗殺から、とにかく主犯人(と思われる人物)をひっとらえて殺害する(または自爆テロで死んでいる)ことで事件解決とすることが良いのか(事実かどうかはわかりませんが)?と社会的な疑問も呈している内容で、公開当時からいつか観るべき映画としてリストに入れていたものの、入れた理由は20年以上の経過で忘却しており、そんなに期待していなかったのだが、当時の自分の感覚が少し誇らしいほどの掘り出し物。