「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」 1983年米 評価4.5


監督:リチャード・マーカンド
出演:マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー他

1983年、2020年9月観賞

 旧3部作の3作目。エピソード6。

 前作で、父ダースベイダーとの戦いで切り落とされた右腕も完治したルークは1年間修業を積み、ジェダイとして成長を遂げ、前作でカーボン凍結されたハンを救い出す。一方帝国軍は勢力を拡大し、再度デス・スターの建造を進めていた。一方でルークの成長を感じ取ったダースベイダーと皇帝はルークを暗黒面に引きずり込もうと罠を仕掛ける。

 続3部作(エピソード7〜9)と比較すれば間違いなく特撮シーンはチープであるし、スカイウォーカー家の確執が中心で、宇宙規模の戦いのわりには、描かれる戦闘シーンは局所的であることも否定できず、宇宙規模の世界観は新3部作(エピソード1〜3)のほうが広い。

 中学生時代に映画館で観た1回目の評価は5点。今改めて1作1作を観ると正直中だるみの場面もある。しかし旧3部作を一体として観た場合、全体的な大きなボリュームの中で一貫してスカイウォーカーの系譜を縦軸に、仲間たちとの信頼と友情を横軸に描ききった内容は唯一無二であり、繰り返して観るに値する名作である。

 再度旧3部作の2,3作目を観て感じるのは、スター・ウォーズは基本的にスカイウォーカー家の伝記ものだということだ。大きな舞台として帝国軍vs反乱軍という構図はあるものの、それより多くの時間が割かれるのはルーク、ジェダイとしての成長、スカイウォーカー3人(レイアの成長も含める)の場面であり、この物語はやはりルーカス自身が語るように、エピソード6で終わるべきものだったのだろう。

 新3部作は旧3部作の前段の物語だから当然、旧3部作の中心であったスカイウォーカー(アナキン→ダースベイダー)の物語。続3部作はすでにその骨格がなくなっていたため、どうしても見せ場としてはアクションシーンが多くなりドラマ部分が希薄になってしまったのだろう。今振り返ると、続3部作はそもそもの存在から結構きついところはあったのだなと、特に8,9に低評価をつけて申し訳ないなと今更ながら思わなくもない。一方で、旧三部作で描かれたルーク像は正義のかたまりであったため、エピソード8のルークがあまりにも変貌しすぎで、そこを何とかすれば、もう少しスカイウォーカー家の描き方もましになったのになぁと思ってしまう。レイが最後に名前を「スカイウォーカー」と名乗れば済む問題ではないのだ。