「ジョーズ」 1975年米 評価4

監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ロイ・シャイダー、リチャード・ドレイファス、ロバート・ショウ他

1984年、2020年8月観賞

 観光で成り立つ海沿いのアミティ市の浜に、動物に食いちぎられた惨死体が上がり、新任警察署長ブロディは鮫の襲撃と判断する。しかし市長はこれからかきいれ時の海水浴シーズンを迎える時期での海水浴場閉鎖に反対。その後、第2、第3の犠牲者が出て、ブロディは海洋学者フーパーと偏屈な漁師クイントと共に、クイントの船で鮫退治に出航するが、沖合いで遭遇したのは想像をはるかに越えた巨大な人喰い鮫だった。

 超有名なジョーズのテーマ(?)が流れる冒頭から緊迫感漂うだけでなく、鮫退治に向かう全く異なる性格の3人(特にフーパ―とクイント)が次第に打ち解けていくという人間ドラマも適度に交えることで単なるパニックものになっていないところはさすが。

 ただ、現代の視点でみると、ジョーズの造形は作り物感が強いし、ラストも意外とあっけなく決着がついて、そのまますぐに終わってしまって、全体を締めくくるドラマがないという感は拭えない。

 内容的に、何度も繰り返して観てその都度面白いという映画ではないと思うが、この作品後、数多の類型人喰い鮫映画が乱発されたほど、その当時はインパクトが強かったのだろうとは思うし、映画として面白いことに異論はない。