「ウルフ・オブ・ウォールストリート」 2013年米 評価3 メジャー度2
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー他
2020年8月観賞
地方のペニー株(安物の株式)のブローカーから出発して、悪質な勧誘商法で自身の会社をウォール街の大きな投資会社に発展させたジョーダン・ベルフォートという実在の人物の隆興と転落の伝記を元に映画化された作品。
口先だけで市民から金を巻き上げ大金持ちになり、その金でドラッグ、酒、女に明け暮れるという生活ぶりが3時間延々と繰り返される。大金を手にするためには他人を顧みない、とにかく金を手にすることが人生の勝者なのだというストーリーは、アメリカ人には熱狂的に受け入れられるのかもしれないが、私は全く共感を感じられず、なんだこの狂人は?という不快感を持ちながらの観賞となる。
乱痴気騒ぎのパーティで快楽の限りを貪り、その後少し反省、だけどまたパーティ、という展開が2時間半ほど繰り返されるので、いくらスコセッシとレオのペアの息がぴったり、スピーディな演出も出演者の演技も申し分ない、という中でも、だらだらと続いているという印象は拭えない。
でも、この延々と同じシークエンスを繰り返すことや、会社仲間以外との親身の付き合いがない主人公ジョーダンが苦悩する場面がほぼない(ここが「アビエイター」との違い)ということで、表面的で虚無的な人生をあぶり出すことが今作の主目的だとするのなら、それは成功していると思う。