「マン・オブ・スティール」 2013年米 評価3 メジャー度2
監督:ザック・スナイダー
出演:ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス、マイケル・シャノン)他
クリプトン星から地球に送られてきたスーパーマンの生い立ち、地球での最初の活躍を、リブート原作を元に映画化した作品。クラーク・ケントという名前、出版社に勤めるところなど、基本的な設定は従来作品と一緒。
まず、スーパーマンの実の父親役にラッセル・クロウが登場したのにびっくりし、続いて、地球での育ての親がケビン・コスナーとダイアン・レイン(おでこにしわを寄せる表情が多いので年齢以上に歳に見える。鑑賞時には誰だかわからず。。。残念)、出版社の上司に「マトリックス」でおなじみのローレンス・フィッシュバーンと、大物(たぶん、「スーパーマン」(1978)でマーロン・ブランドを母国の父親役で起用したことのオマージュ)と懐かしの俳優を配しているのが嬉しい。一方、残念なことにそれが一番良かった点。
冒頭、赤ん坊のスーパーマンを地球に放つまでに20分費やすのだが、ノロノロとすぐに発送しない→悪党どもが来る→悪党にすぐにとどめを刺さず→父親殺されるというお決まりのパターンで、まずこの展開のぬるさがイライラいさせる。また、悪党は衛星軌道に凍結して幽閉される罰を受けるのだが、星の寿命が尽きようとしているのにその罰則に有効性がない=この悪党どもがのちの地球での敵役にもなることが白々しく明らかになって興覚め。
スーパーマンが苦悩しつつも人類に協力するようになるところの展開は良いが、全く無敵の超人であるため、戦闘シーンがワンパターン。最初のうちはCGを駆使した映像がなかなか凝っていて、スピード感も凄くて目新しいが、どんな衝撃を受けようがクリプトン星人はびくともしないのに、おいおい、どこまで建築物を破壊すりゃ気が済むんだ?その破壊によって何人も死んでるんじゃないか?と、延々と続く展開にこちらの集中力も散漫になりがち。いったいいつになったら終わるんだと思いきや、最後はスリーパーホールドで終わり???それで終わるんならとっくに終わってるんじゃないのか。
クリストファー・リーヴのスーパーマンシリーズが、特に音楽が懐かしく思われるが、今更、善玉の象徴のようなスーパーヒーローものを作っても受けないのだろうなと思うし、その旧作を今観て面白いと思うかは疑問だ。段々世の中も、私自身も世知辛くなってしまったのかな。