「マシンガン・プリーチャー」 2011年米 評価3 メジャー度1


監督:マーク・フォースター
出演:ジェラルド・バトラー、ミシェル・モナハン他


 元麻薬密売人で、悪の限りを尽くしていたサムは、ある事件がきっかけでキリスト教に目覚める。キリスト教の集会で内戦状況にあるスーダンでの布教の協力を訴えた牧師に感化されてスーダンに行ったサムは、そこでの状況、特に少年少女への虐待を目の当たりにして、スーダンでの孤児院建設に奔走し、また子供らを救うためにはマシンガンをも手に取る牧師(プリーチャー)として過激な活動を続ける。

 サム・チルダースという実在の人物の体験談をベースとしたストーリー。世界のどこかでこのような惨状が続いているという事実に人間の愚かさを感じずにはいられないが、映画としてはなんとも焦点の定まらないものとなっている。

 エキセントリックなサムの行動心理は理解できるものの、キリスト教徒の行動としては決して同情できるものではないし、家族をほとんどないがしろにしてのスーダンの孤児院建設への情熱も異常ともいえるもの。主人公に感情移入ができないし、また、キリスト教布教者の贅沢ぶりや偽善者ぶりも描かれているがこちらは中途半端。家族の絆の観点の描き方もなんか中途半端で、ストーリーの核となるものがない。