「ノッティングヒルの恋人」 1999年英・米 評価4 メジャー度4
監督:ロジャー・ミッシェル
出演:ジュリア・ロバーツ、ヒュー・グラント他
今が旬のハリウッド大女優が、イギリスのノッティングヒルの街角にある旅行書専門店に立ち寄り、そこの店主であったバツイチの男性に魅かれ、自分の立場を捨てても一緒になりたいと切望する、男にとっては夢物語以外の何物でもないストーリー。
ハイクラスの女性が一般男性に惚れるという展開は、「ローマの休日」や「ある日どこかで」が有名だが、前者はラストは王女が元の立場に戻って現実に引き戻され、後者は時空を飛んでの辛い別れ。その点本作は、主人公は大女優にほぼ一目惚れされ、妹の誕生日やレストランに一緒に行って、周りの人々の羨望も得て、最後には大女優からの愛の告白を一度ふっての再告白を引き出すという、男目線でいえば、学生時代に大好きな女優相手に妄想した内容をハッピーエンドのままに映画にしたという、正直、独りよがりの作品だと思う。
なぜ大女優が小さな旅行専門店でトルコ旅行の本を買うのか?というのっけから疑問符いっぱいの展開。さらに1回目の逢瀬から熱いキスをするし、店主の妹の誕生日会に出席したり、あり得ない展開のオンパレード。また、なぜ本屋店主にそこまでぞっこんになるのか、それがわからない。
しかしこれは独りよがりの夢物語なんだから、そんなこと考えずに夢として楽しめばいいじゃん、と頭を切り替えれば、本格的なデビューとなった「マグノリアの花たち」で、その圧倒的な魅力を振りまいたジュリア・ロバーツが「プリティ・ウーマン」で大ブレイクし、その後大女優らしいハリウッド大作を連発する中でいまいち繊細な魅力が薄れてしまっていたのだが、本作で小粋なラブ・コメディに帰ってきて、その美しく、かわいらしく、でも30代女性の落ち着きも見せていて、とても魅力的で、純粋に楽しいと思えたのでした。
また、イギリス資本が入っていることによる違いなのか、ハリウッド映画のように周囲にあまりやかましいステレオタイプの登場人物がいないので、少しそこが新鮮で、ハートウォームな展開でもある。あと、そこここに映画の楽屋ネタっぽいものがちりばめられており、映画好きにはそこも楽しめるポイント。
やはりロマンス映画は、ヒロイン(ヒーロー)が自分の好みがどうかで評価は大きく変わる、という事ですね。