「プリデスティネーション」 2014年豪 評価4 メジャー度2


監督:マイケル&ピーター・スピエリッグ兄弟
出演:イーサン・ホーク、サラ・スヌーク他


 爆弾魔による連続大規模爆破事件が住民に恐怖を与えている1970年代中頃のNY。その犯罪を食い止めようと未来(1980年代)の、時空を超えた警察組織からやってきた捜査員がバーテンダーとして働いているNYのとあるバーに、見慣れない若者ジョンがやってきて、バーテンダーを相手に自らの数奇な半生を語り始める。

 SF小説の巨匠、ロバート・A・ハインラインの短編を元に映画化した作品。結局は一人の人間の輪廻を描いており、タイムトラベル、爆弾魔の殺害というテーマがあるもののアクション映画とはかけ離れていていやにこじんまりしているなという感想は拭えないのだが、こじんまりとしているからこそ、タイムパラドクスの細部が映像やセリフにちりばめられた非常に丁寧な作りで、繰り返し見たくなる。

 また、アクション映画でない分、ジョンとバーテンダーの会話シーンなど上質の演技(特に若い男女を演じ分けたサラ・スヌークが秀逸)合戦も大きな魅力。