「尾崎豊を探して」 2019年日 評価1.5 メジャー度1
監督:佐藤輝
出演:尾崎豊他
私は尾崎が活躍していた期間(1983年〜1992年)は完全に洋楽にしか興味がなく、当該期間に尾崎を知らない。とはいえ、1993年以降に知ってからは結構好んで聴いていたので、コアなファンとまでは言えないが、かなり知っているとは言えるという立場であることをまず、記しておく。
本作はドキュメンタリー映画に分類されるが、映画としての出来は極めて悪い。尾崎のライヴ音声・映像をベースに、イメージ・CG映像(しかも同じものの繰り返しが多い)がぶつ切れに挿入される。また、これも同様ぶつ切りに尾崎の画面いっぱいのアップ映像による独白のようなものが頻繁に入る。音楽の良さを知らせるものではないし、単純な独白と歌詞の垂れ流しで、特に人生後半の覚醒剤を使用した後は触れられないことから人物像も描けていない。尾崎の何を伝えたかったのか全く不明で、題名の通り単純に尾崎豊というカリスマがいた、ということしか描けていない。
特別料金(一律2500円)での公開なので、尾崎をあまり知らない人がわざわざ観に行くとは思えないし、観たいと思うのはかつて彼のファンであった同年代に限られることになるのだが、コアなファンなら見たことのある動画のつなぎ合わせでしかない(らしい)。私も観てる途中からぶつ切りの音楽と切れ切れに頻繁に挿入されるイメージ映像から、何だこりゃと思いつつも、コアなファンではないので、後半は観たことのない映像が多くなってきたこともあり、何とか最後まで観れた、というレベル。尾崎の生涯はこれまで何度もTVなどで製作されており、それと一線を画したかったのかもしれないが、何を伝えたいのかわからない内容で、これならTV製作物のほうがずっと出来が良い。尾崎をある程度知っている人にとっては、映画館で、しかも特別料金で観るものではないことは断言する。ただ、尾崎の曲と声の良さは感じることはできる。今回、娘が希望したので一緒に観たのだが、娘はその点と尾崎のルックスの良さは十分感じられたようだ。