「時計じかけのオレンジ」 1971年米 評価4 メジャー度3


監督:スタンリー・キューブリック
出演:マルコム・マクドウェル、ウォーレン・クラーク、ジェームス・マーカス他


 近未来。秩序の壊された荒廃した郊外に住む高校生のアレックスは暴力とセックスに明け暮れる毎日を送っていたが、仲間たちの裏切りによって、刑務所送りとなる。そこでは優等生的に過ごしてはいたものの、頭の中はいつでも暴力とセックス。しかし、そんなアレックスに犯罪人に対する新しい更生法の実験台になるというオファーがくる。その更生法とは、暴力に対する嫌悪感を深層心理に植え込ませることにより、精神的に暴力ができないようにするというものだった。

 スタイリッシュな映像、先鋭的な音楽、そして自分の欲望の赴くままの精神の解放といった内容に、約25年前に観た時はかなりの衝撃を受け、サウンドトラックのCDを購入したくらいだったが、今見ると、暴力的、性的な部分は今の感覚だとおとなしいものであり(この25年間で映画での描き方が非常に過激になったことによる)、そのあたりのカタルシスは感じることはできない。どちらかというと「博士の異常な愛情」につながるブラック・ユーモア的な要素を強く感じるし、やはり歳をとって感じ方も異なってきたのだと思う。25年前は強烈な印象から評価5としたが、今の正直な評価は4といったところか。