「ダークナイト・ライジング」 2012年米、英 評価3 メジャー度3
監督:クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベール、アン・ハサウェイ、トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン他
前作で大けがを負った(後で調べると罪を被って幽閉していたらしい)バットマンことブルース・ウェインは、かれが救ったゴッサムシティが何者かによってまた犯罪の街とかし、またバットマン自身を破産に追い込む、悪党がいることに気づき、その悪党との対決に臨む、という感じのストーリー。
バットマンシリーズは数あれど、私はシリーズを通じて初鑑賞。なので、登場人物の関係がいまいち把握しきれないし、地上波放映版を観たので、原作より40分程度短く、その分話が物切れ、よくわからないというところが個人的にはあり、そのことによる評価点数減は考えないことにするが、一言でいうと、途中途中でストーリー展開に??を感じながらも勢いやバットマンの新兵器の目新しさで退屈せずに最後までは観れた作品ということになる。
初っ端から、重要人物を飛行機で運んでいるわりに敵機が真上にくるまで全く気が付かないとか、8年間も隠遁生活を送っていて体が不自由な主人公がバットスーツを着てすぐに暴れられるのか、なぜ立坑づくりの監獄が子供が脱出出来て屈強な大人が脱出できないのかなど、おかしいと思われる描写が次々と出てくる。また、元々人を殺さないことをモットーとするバットマンだから、銃をつかわない肉弾戦(しかも悪役もなぜか付き合う)が延々と続くのも、近代の戦いなのにおかしい。一番興覚めするのが、ハリウッド映画において何十年も変わらぬ核兵器の描写。経年劣化による爆発間近という設定のくせに、核兵器を積んだトラックは何度も転がっているし。。。しかもラストはバットマンが海洋上5kmのところまで運んで爆破したから大丈夫!!という能天気な結末。えぇ?!放射線はどうなってんの?死の灰が降り注ぎ、全然大丈夫じゃないんですけど。。。
と、よく考えるとバカバカしい映画なのだが、モーガン・フリーマンやゲイリー・オールドマン、リーアム・ニーソンなど名優が贅沢に配役されているし、全編を覆う暗い雰囲気、バットマンの一本筋の通った暗さというところには魅力はあり、観ていて飽きることはない。