「インセプション」 2010年米・英 評価4 メジャー度5
監督:クリストファー・ノーラン
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、エレン・ペイジ他
ライバル企業を蹴落とすために、その社長の夢の中に侵入し、潜在意識の中に、会社を破滅に導くような種を植え付ける依頼を請け負ったコブ(レオ)は、信頼できる仲間を集め、夢の中の何層もの深さへ侵入する。しかし、彼には死んだ妻との間に拭い去ることのできないつらい記憶があった。
夢の中の映像のイマジネーションはかなり見ごたえがあるし、仲間となった面々にそれぞれの活躍の場が与えられ(仲間割れなどのありがちな展開がないのも良い)、亡妻とのつらい過去のエピソードもいいアクセントになっていて上出来の作品なのだが、元々のライバル会社を蹴落とすメインストーリーが、いつの間にか二の次になってしまうところが話として弱い。また、アクションの場面で大勢の武装集団を数名でやっつけてしまうところと、しかもそのシーンがかなり長いのが、ちょっと中だるみを感じさせてしまう。
話の着眼点、主人公の心の傷など一級の素材があるので、もう少しアクションに寄らせないでじっくり描けばもっと評価は上がったと思われる。