「スポットライト 世紀のスクープ」 2015年米 評価3.5 メジャー度3

監督:トーマス・マッカーシー
出演:マーク・ラファロ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、リーヴ・シュレイバー 他

 2002年、アメリカの地方紙「ボストン・グローブ」の記者たちは、過去、ボストンで起こった神父による性的虐待と、カトリック教会がその事実を隠ぺいしていたというスクープを掴む。「SPOTLIGHT」というコラムにそのスクープを取り上げるため、証拠固めを急ぐ担当記者たちであったが、カトリック教会や被害者などから様々な障害を被る。2015年度アカデミー作品賞と脚本賞を受賞。

 2時間超の時間が短く感じられる程、緊迫感のある脚本は良くできているし、面白くもある。しかし、軸にあるのはこの映画の主題、神父による性的虐待の暴露であるため、あまり登場人物に焦点を当てないというのは意図的なものなのかもしれないが、なんというか、達者な俳優によるTV再現ドラマのような印象なのだ。観終わった後、記憶に残るのは俳優や映画の一場面ではなく、過去実際に起こったこの事件であり、その意味で映画としての魅力はあまりないともいえる。また、実話をもとにした映画には良くありがちなのだが、登場人物が多すぎて、こちらの頭がついて行けない部分もある。