「グランド・ブダペスト・ホテル」 2014年英・独 評価3 メジャー度2


監督:ウェス・アンダーソン
出演:レイフ・ファインズ、トニー・レヴォロリ、ジュード・ロウ、F・マーレイ・エイブラハム 他


 1968年、東欧のとある小国の豪華ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」に泊まる、スランプに陥っていた作家は、そのホテルのオーナーであり、ここに来る時は使用人の部屋で泊るという大金持ちの初老のムスタファと出会う。ムッシュ・ムスタファは、更にその昔、このホテルの伝説的コンシェルジュであったムッシュ・グスタヴと共に経験した、とある殺人事件を巡る波乱万丈の冒険について作家に話し始める。

 2014年のアカデミー賞では、主要なものはないが4部門受賞。評論家筋の評価が高い作品である。しかし、このような、ある人の口から偉人、変人、奇人の物語を語るという手法は、これまでにもよくみられる(「ビッグ・フィッシュ」、「フォレスト・ガンプ」、「ベンジャミン・バトン」等々)もので、特に目新しいものではなく、この種の映画は主人公の人柄や生き様が自分の感性に何を訴えるかというのが、評価基準の大きな比重を占める。本作は、ストーリー的には面白いものの、よくありがちな内容と映画構成であり、私は特に主人公に魅力を感じないので、評価は平均的なものになる。

 なお、上記の他に、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドブラム、ハーヴェイ・カイテル、ビル・マーレイ、エドワード・ノートンといった、私の世代がよく知る一昔前の有名俳優たちが大挙出演しているのは見所ではある。