「マッド・マックス 怒りのデス・ロード」 2015年豪・米 評価4 メジャー度4
監督:ジョージ・ミラー
出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト 他
マッドマックス1,2で描き出したスピード感と突き抜けたえげつなさ(3のサンダードームは駄作)を、御歳72歳のジョージ・ミラー監督がそのパワーを衰えさせることなく自身の出世作に注ぎ込んだ、全編アクションだらけの超快作。
近未来。地球上はすべて汚染され、大地は砂漠と植物も生えない荒野だらけ。暴力、強いものが世を支配している中、支配者に捉えられたマックスは、緑の大地を求めて支配者から逃亡を図る武装部隊の女隊長フュリオサと協力しながら生きるための一縷の望みに賭ける。
とにかく冒頭からアクションの連続で、それがあっけなさと痛みを感じない銃撃戦ではなく、肉弾戦なものだから、手に汗握るという表現がぴったりの描写が延々と続く。また、「北斗の拳」に多大な影響を与えた「マッド・マックス2」の悪役の造形のようにインパクトのある、白塗りスキンヘッドでまるでショッカーのような悪役たちも秀逸。
下手な感情移入をさせるようなまどろっこしい演出はほとんどなく、死ぬものはただ死んでいくという単純明快なストーリーに身を任せ、わけの分からない、インパクト抜群の登場人物たちを不思議がらず、頭を空っぽにして肉弾アクションを楽しめばいいという、快作である。
マックスは、声がいいが、唇ばぼてっとしたベビーフェイスなのがちょっと減点だが、女ドライバーを演じるシャーリーズ・セロンがかっこいい。