「ダ・ヴィンチ・コード」 2006年米 評価2 メジャー度5
監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス、オドレイ・トトゥ、イアン・マッケラン、ジャン・レノ 他
2003年に発刊され、そのセンセーショナルな内容や謎解きの面白さから全世界で大ベストセラーとなった原作の映画化。ルーブル館長ソニエールが何者かに殺されたことを発端に、キリスト教の闇の歴史をベースとした謎解きに巻き込まれる宗教象徴学教授ラングドンとソニエールの孫娘ソフィーの活躍を描く。
まず、原作を読み終えた30分後に映画を見たので、原作との差が丸分かりで、欠点ばかりを感じざるを得ない。
かなり忠実に原作の流れを守っているのだが、特にキリスト教への造詣が浅い日本人にとっては、なぜ暗殺者シラスが自分を傷つけているのか、指導者の執事がどんな原因で死んだのか、などほとんど説明がないまま進行していくので、この映画だけを見た人はほとんど内容がつかめないのではないかと思う。つまり、映画化にあたって、必要な短縮とそれに伴う丁寧な脚色に力を注がなかったために、原作を読んでいる人にはわかる、という投げやりな描写ばかりが目に付き、原作を読んですぐの私には理解できるが、読んでいない人には、それぞれの描写の真意はほとんど分からないと思われる。また、主人公を演じるトム・ハンクスが全く頭脳明晰な大学教授には見えないし、ソニエールの孫娘であるソフィーがなぜ絡んでくるかはほぼわからない。かなり有名な俳優ばかりを使っているのだが、話題先行だけで終わってしまっている。
原作を読んですぐに見たというところはあるかもしれないが、こりゃひどい映画化だなと感じざるを得なく、途中で見るのをやめようと思ったくらいだ。