「チャイナタウン」 1974年米 評価4.5 メジャー度2
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン 他
1930年代のアメリカL.A.を舞台に、水源事業を巡る個人的かつ大規模な汚職事件に、浮気調査という形で図らずも手を貸すことになってしまった私立探偵ジェイク。彼は自身のプライドのため、事の真相を暴く調査を進めていくが、次第に元々の水源事業主のクロス家の過去と陰謀が明らかになっていく。
監督をはじめ、役者もニコルソンとダナウェイという70年代旬の名優の他、監督、脚色、俳優として13回もアカデミー賞にノミネートされた経験(うち2回受賞)を持つジョン・ヒューストンを揃え、音楽もアカデミー賞に17回もノミネートされたジェリー・ゴールドスミスを配するという一流の映画人達による高密度で完成度の高いフィルムノワールの傑作。アカデミー賞は11部門にノミネートされ、脚本賞を受賞。
徐々に明らかになっていく事実と、驚愕のラストの展開。ストーリーのあちこちに伏線が張られており、2回目もすぐ見たいという気持ちになる。全体を覆う暗くて男臭くて、まったりとした雰囲気により、今にない映画的匂いが強く感じられる。出色なのが監督業でより有名なジョン・ヒューストン演じる悪役の存在感と図太さと、退廃的なゴールドスミスの音楽。また、ダナウェイは決して美人とは思わないのだが、薄幸の女性を見事に演じケチのつけようがない。映画としてどこをとっても非常に高水準であるが、やはり少し古臭さも感じてしまうところはある。