「トランセンデンス」 2014年米・英・中 評価2 メジャー度2
監督:ウォーリー・フィスター
出演:ジョニー・デップ、レベッカ・ホール、ポール・ベタニー、モーガン・フリーマン 他
天才的なIT科学者であるウィルは世界初の人工知能PINNを開発するが、反テクノロジーを唱える過激派テロ組織によってポロニウム内部被爆を受ける。ウィルの余命の中で、公私共にパートナーだった妻のエヴリンはウィルの意識をPINNにアップロードする。人工知能としてよみがえったウィルは、軍事機密から金融、経済など、あらゆる情報を取り込みながら、驚異の進化を始める。
ウォーリー・フィスターは優秀な撮影監督で、本作が監督デビュー作。そのことを端的に感じさせる内容である。確かに映像表現に斬新なところはあるのだが、ありがちなストーリー展開であるとともに、ウィルが治癒した人間が超人化してアクション映画のようになったり、といってエヴリンとの愛情を前面に出してみたり、どの種類の映画として観させたいのか全くわからない。また、ポール・ベタニーやモーガン・フリーマンという一流の演技派俳優を使っていながら、主役の二人以外の登場人物像が極めてぼんやりしており、印象に残らない。完全に演出とストーリーテリングの点で失敗しており、観始めて30分ぐらいで、あぁ、観なくてもいい映画だったなとがっかりした。