「X−MEN フューチャー&パスト」 2014年米 評価3 メジャー度4

監督:ブライアン・シンガー
出演:ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス 他


 プロフェサーXとマグニートーが健在なので、時代としては現代か。特殊能力をもつミュータントを滅亡させるために製作された最強兵器センティネルは、ミュータントだけでなく人類への攻撃もはじめ、世界は戦いに明け暮れる日々。どんなミュータントの能力にも対応できるセンティネルは強すぎて、ミュータント全体で協力してもどうにもならなず、ミュータント滅亡の危機がすぐそこに迫っている。このため、センティネル開発の元となった過去の出来事を変えるため、驚異的な治癒能力を持つウルヴァリンの意識のみを、1972年に飛ばす。

 ミュータントはあっという間にセンティネルにコテンパンにやられるし、1972年の時代で活躍するミュータントは限られているので、本作は、ミュータントの特殊能力を生かした戦闘ではなく、人類から疎まれる存在になるかならないかの瀬戸際を描いたドラマが中心の内容となっている。

 まず気づくのは、ミュータント滅亡の危機にある現代までの流れが、X-MENシリーズの1〜3作の内容と整合が取れない点。もし1970年代前半からセンティネルが製作されているのなら、1〜3作で描かれた2000年代は全く異なったはず。つまり、1〜3作は、本作のX-MENの作戦によりセンティネル製造が避けられた後の話と解釈するしかない。しかしそうなると本作のある意味は??となってしまう。

 また、チャールズが酒浸りのダメ人間になっていたり、話を展開するために上っ面だけの性急な描写など、とってつけたような無駄な内容が多い感じがしてしまう。もう少しこれまでの作品を生かした内容にはならなかったものか。まだシリーズは続くようだが、これまでとの一貫性が損なわれるのであれば、特に観る必要はないものになる。