「17歳のカルテ」 1999年米 評価2.5 メジャー度3

監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリー、ウーピー・ゴールドバーグ 他


 境界性人格障害と診断された女性(17歳?)が精神病院に入院し、そこで様々な患者と一緒に暮らすうちに生きる意味を見出していくという実話を基にした物語。

 精神病院内の状況を描き続けるという点では「カッコーの巣の上で」を彷彿とさせるが、女性病棟が舞台なためか、実話のため実在の人物をモデルにしているためか、あまり極端な描写がなく、どこをそんなに病んでいるの?という病人ばかりで、張り詰めた緊迫感がない。当時27歳だったウィノナはとても十代には見えないから、若さゆえの衝動的行動とも考えづらいし、ずっと精神病のウィノナ目線なので台詞や行動に感情を寄せることもままならない。また、実話に基づくためか、本筋にはほとんど関係のないエピソードや台詞が多く、なんとなくつかみどころのない内容になっている。

 芸達者が多いため飽きはしないがどこかで観たような内容をまろやかにして映像にしたという感じで、特に観る必要はなかったという感じ。アカデミー助演女優賞をとったアンジーが鮮烈という評が多いのでそこに期待はしていたが、確かにインパクトはあっても、芝居経験のある私から言わせれば精神的に病んだ人間を演じるのはやりやすいのであって、例えば「カッコーの巣の上で」のジャック・ニコルソンと比べれば、特段新味も感じない。