「パンドラの約束」 2013年米 評価3 メジャー度1
監督:ロバート・ストーン
出演:ドキュメンタリー
なぜ、反原発派だった環境保護家たちは原発推進の考えに変わったのか。数名のそのような活動家たちの考え方の変遷を追うドキュメントである。環境放射能の影響の実態、原子力発電を核兵器と混合する無知、原発推進派のことをとやかく言えないほど自分に都合の良い情報のみを利用する反原発派の虚像などを映しながら、やはり原子力は利用しなければならないというのが全体的な主張となっている。
純粋に映画としての評価を行うと、前半は主義を変えた出演者を追い、ある程度興味深いが、後半は原子力を新しい概念の原子力発電所や確立した技術であることを強調し、逆に推しすぎて、なんとなく白々しい感じで、推進派の作った映画という印象が強くしてしまうのが残念である。また出演者が多すぎて、それぞれがなぜ思想を変えたのかがいまいち掴みきれない。もう少し出演者を絞り、じっくりと中立的な立場で描いたほうがドキュメントとしてもう一段高いレベルに到達できたのではないかと思ってしまう。