「ウォール街」 87年米 評価3.5(5点満点) メジャー度4
監督:オリバー・ストーン
出演:チャーリー・シーン,マイケル・ダグラス,マーティン・シーン他
ニューヨークに暮らす証券マンのバドはひょんなことから財界の大物ゲッコーと知り合い,彼の金策の手助けをするうち,自らも彼のような金の亡者になっていくが,ゲッコーが自分の父親の会社を乗っ取ろうとしていることを知り,本来の自分を取り戻し,ゲッコーと真っ向勝負を挑む。
スピーディで見ているものを飽きさせない展開はさすが当時「プラトーン」でアカデミー賞をもらった直後で脂がのっていたオリバー・ストーンである。きっと専門家に言わせれば,こんなに上手く金もうけができるわけがないということなのだろうが,映画としては面白くできている。出演者も上記のほかにもテレンス・スタンプやダリル・ハンナ(だが「スプラッシュ」のときのような魅力がない,というより全く魅力がない)など結構豪華である。
しかし,ストーリーの面白さはあるものの,人物像の掘り下げかたが中途半端だったりで,感動という点では今一歩。後世まで語り継がれる名作ではないし,時代が立てば古臭い内容になってしまうのも致し方ないか。面白いが繰り返してみようとは思わないというのが正直な感想。
多分学生時代に見ればゲッコーのような人間になりたいと思っただろうが,今見るとバドの父親のような人間になりたいと思うのは自分が夢を失ったからだろう。今のあなたはどちらに憧れるだろうか?