「アジャストメント」 11年米 評価2 メジャー度2

監督:ジョージ・ノルフィ
出演:マット・デイモン、エミリー・ブラント、アンソニー・マッキー、テレンス・スタンプ他


 史上最年少で下院議員となったデビットは上院議員選を優位に進めていたが、懇親会での下半身露出で一気に人気下落で、落選。人生をやり直していたとき、太古から人類の運命の“調整”を行う神のような存在(人間の姿をしている)の作業を偶然目撃したことから、自分の運命がどう調整されてきたか、どう調整されていくかを知ることになる。

 ぬるい。ぬるすぎる。まず調整する組織。組織の存在を知られたのは、調整役が居眠りをしてしまったからだし、デビットが秘密を知ってしまっても、口外しないことの口約束のみで釈放。居眠りした調整役はその後も組織から何のお咎めもなくキーパーソン(最後に最も偉い議長であることが示唆されるが、議長がそんな適当な存在でいいのか?)と、神的な立場の組織でありながらだれた存在で、ストーリーに緊迫感が全くない。出演者も、知ってる俳優がデイモンの他に年老いたテレンス・スタンプのみ(走ってるシーンでよたよたしてるし、大物の設定なのにたいしたことしない)で、ヒロイン役は歳の割(後で調べて撮影当時27)に皺っぽくて二の腕が太くて魅力薄で、全体的に非常に地味。ストーリーも、そんな大事な時に下半身露出というのも無理なら、デビットが運命の女性と出会うのが男子トイレで、されにその場で猛烈なキスとか、ありえない展開が多すぎて、その都度引いてしまう。さらに、主人公は議員なので無茶なアクションをさせられないから、アクションも皆無。ぬるい展開だから、当然最後はヒロインと結ばれるであろうハッピーエンドが前半から見え見え。原作未読で、原作に忠実なのかどうかはわからないが、映画にする以上、どうにかできなかったのかねぇ。

 5月末までの割引チケットがあったことと、「ブレード・ランナー」や「マイノリティ・レポート」と同じ原作者で、最近著書「ユービック」も読んでいて原作的には問題ないだろうと思い、半ば強制的に観たが、想像以上に出来の悪い映画だった。