「塔の上のラプンツェル」 米 評価4 メジャー度3


監督:バイロン・ハワード
出演:アニメ


 私はディズニーのプリンセス映画が嫌いである(といっても「美女と野獣」と「シンデレラ」しか観ていないが)。あの、欧米人にさらに輪をかけたオーバーな表情がうっとうしいし、動きも踊っているようで人間らしくない。ストーリー云々以前にそのヴィジュアルが受け付けないのだ。ところが、本作はそれを全く感じさせない。それは3Dであるため、必要以上の表情を作る必要がなかったからかもしれない。また、動き自体も本当の人間の動きから再現したと思われ、とても自然だ。なので、全く期待していなかったにもかかわらず、それはいい意味で裏切られた。

 太陽の雫から咲いた花の恩恵で、ラプンツェルは総てを若返らせる能力を持つ髪を授かって一国の王の子として生まれるが、元々の魔法の花の恩恵で何百年も生きてきた女ゴーテルに囚われ、何十mもの塔の上に幽閉される。18の誕生日の前日、盗人のユージーンが塔の上に逃げてきた。ラプンツェルはユージーンを案内人として、毎年誕生日の夜に、近くで打ち上げられる不思議な光を見るために、初めて塔の外に出る。

 出てくるキャラクターは総てプロトタイプ型で登場と同時にどのような活用がなされるかわかってしまうし、話もディズニーお決まりの大団円。しかし、それでも評価4をつけたのは、3D映像の素晴らしさとそれを効果的に生かした見せ場の連続のスピーディな展開。ショコタンの吹き替えも違和感なく、3Dのラプンツェルも魅力的だ。3Dは少し前まで、観客の度肝を抜くことに重点が置かれていたが、本作は奥行感を出すことに重点が置かれており、それが無意識に映画全体に深みを与えているのだと思う。
 娘と観にいったのだが、かなり面白かったし、女の子には特にお勧めと思う。