「祇園囃子」 日 評価3 メジャー度1
監督:溝口健二
出演:木暮実千代、若尾文子他
京都祇園の芸者、美代春は、家を飛び出してきた、親戚で舞妓志願の栄子を引き取る。栄子は1年間の修業の後、舞妓としてデビューし、現代っ子らしい振る舞いで人気を得ていくが、私生活でまで身を売る気のない二人の振る舞いにより、仕事を得られなくなってしまう。
京都の細い路地裏などの古い町並み、人々の生活感、部屋の備品の数々等から、匂いまでも感じられるほどの懐かしい思いがこみ上げてくる。また、30くらいであろう美代春の振る舞いから来る日本女性の色気など、映画から感じられる芸術性の高さには確かに感嘆させられる。
私も四十を超え、そろそろ見逃している日本の旧作のよさをわかる頃かと思い、評価の高い本作を見てみたのだが、「山椒大夫」はまだしも、名作の誉れ高い「近松物語」もつまらなかった私は、どうも溝口作品は合わないようだ。やはり基本、映画はエンタテイメントであると思っているので、芸術性のほうが評価されている映画というのは好きではないらしい。