「ユナイテッド93」06年米 評価3.5 メジャー度3

監督:ポール・グリーングラス
出演:デヴィッド・ラッシュ、マイケル・J・レイノルズ、グレッグ・ヘンリー他

 2001年9月11日に米国でおこった同時多発テロ。4機の民間航空機がハイジャックされ、2機が世界貿易センタービル、1機がペンタゴン(米国国防省)、1機がなぜかペンシルベニア州へ。この目的外の土地へ墜落したユナイテッド93便に何が起こったかを、管制塔やテロリスト、乗客と家族らとの通信記録から再現したドキュメンタリータッチの作品。

 著名な俳優が一人として出ていないこと、全編ドキュメンタリー調のゆれる映像により、映画っぽくない現実味を帯びてくる。派手さはないのだが、実際の時間軸と映画の進行をほぼ同じにしたことで、わずか30分の間で、複数機がハイジャックされ、2機が世界貿易ビルに突入したことが判明した時の管制塔や軍の慌てぶりが、とてもスリリングで、93便の行く末はわかってはいるものの、緊迫感が削がれることにはなっていない。ただし、時間軸を合わせた結果、密室での複数人の人柄まで描けなかったのが残念だし、家族らとの連絡場面で「愛している」というメッセージばかり見せるのも、その状況では当然なことなのだけどもちょっとくどい。

 地味な感じ(最近良くある「世界仰天ニュース」とかの回顧映像みたいな感じ)だし、自分らの乗った航空機の運命を知った後の乗客の描写がありきたりなのだが、映画としては非常に良くできていて、本来評価4でも良いのだが、とにかくゆれる映像が私にとっては駄目だ。ゆれる映像を観ていると気分が悪くなってくるのは従来わかっていたし、『第9地区』でも体感していたのだが、それはあくまで映画館の大きな画面を前にしてのものだと思っていたが、90分すべてがゆれる映像とはいえ、TVでも気持ち悪くなってしまった。年とともに目の筋力も落ちてきた今、例えば身体的に仰向けに足を上げての逆腕立て伏せを、最近、背中の筋が痛くなるためとりやめたのと同じように、老化に伴い、このような映画ももう見ないほうが良いのだなの悟らせた作品でもある。