「大脱走」63年米 評価5(5点満点) メジャー度4

監督:ジョン・スタージェス
出演:スティーヴ・マックィーン、リチャード・アッテンボロー、ジェームズ・コバーン、
   チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・ガーナー他

 朝10時の回のみ、50作品を1週間ごとに上映を変える「午前十時の映画祭」がTOHOシネマ系で企画されている。まさに名作だらけで、観てない作品は6本しかないものの、これは映画館で観なければというものは観たいと思っている。

 本作については、一番の売りである、マックイーンのバイクでの国境越えなど、やはり映画館で観るべきと考え、通算4回目(過去は1981,1987、1993)として鑑賞したものである。

 第2次世界大戦中、脱走を何回も企てた連合軍の捕虜がドイツ東部の収容所に集められた。鉄壁の監視体制が敷かれたが、捕虜たちは100mあまりのトンネルを掘ることで脱走を図り、76名が脱走、そのうち50名が捕らわれ、銃殺されたという実話を元に、色とりどりの名優たちがユーモアも加え、決して暗い内容とせず、壮大に仕上げたエンターテイメント映画の傑作。

 昔はTVで見たので、かなりカットされているはず、と思ったが、実は後の2回はビデオでノーカット版を観ており、しめて4回目となれば話の筋はわかりきっており、このストーリー展開が何をおいても面白いのだが、その点は正直、感じることは出来なかった。しかし、これだけの出演者をひとつのシーンに納めつつ、それぞれのキャラをしっかりと描いた手腕は見事。ほぼスタントなしのバイクシーンのマックイーンは本当にかっこいいし、チャールズ・ブロンソンにしてもジェームズ・ガーナーにしても素晴らしい男性的な魅力を発散している。

 土曜の朝10時、館内は6割程度の人の入り。しかもみんな真ん中のほうの席に座るので、真ん中のエリアは満席状態。いくら1日1回の上映とはいえ、ここまで混雑している映画館は本当に久しぶり。やはり名作を観たい人は多いんだなぁと、しみじみ、「映画って本当にいいものですねぇ」という水野晴郎のフレーズを思い出しました。