「スーパーマン・リターンズ」 06米 評価3(5点満点) メジャー度3

監督:ブライアン・シンガー
出演:ブランドン・ラウス、ケヴィン・スペイシー、ケイト・ボスワース他

 クリストファー・リーヴ主演のスーパーマン・シリーズ、最後の4作目から約20年が経過。あまりにリーヴが嵌りすぎだったため、彼以上のスーパーマン像というのは思い浮かばなかったが、何とか背格好も顔もその像を裏切らない人材を探し出し、X−MANシリーズでアクション映画の手腕もあることを証明した、「ユージュアル・サスペクツ」のブライアン・シンガーが監督。

 北極のスーパーマンの住処にある水晶のような固体が水と反応(?)すると爆発的に増大することを、スーパーマンの宿敵であるルーサーが発見。彼はその固体を持ち帰り、それにより陸地を作ることで世界を水没させるとともに、大儲けしようと考えていた。それを阻止しようとスーパーマンは立ち上がるが、作り上げた陸地にはスーパーマンの唯一の弱点である物質、クリプトナイトがちりばめられていた。

 オープニングのクレジットの造形、雄大なテーマ曲は、それが流れるだけで、「スター・ウォーズ」ほどではないけれど胸踊る。そして冒頭の飛行機墜落を防ぐシークエンス、頑張っている新生スーパーマン、ブランドン・ラウスの容姿は、おぉこれこれ、と思ったものだが、悪役ルーサーがお間抜けなのはもともとの設定がそうなので、特に減点材料ではないが、話全体がなんとなく物足りないというか、深みがないという印象。

 多分、最近のアメコミスーパーヒーロー物(バットマン、スパイダーマン)が、ヒーローの心の闇を描くようになって、話に深みを持たせたのに対し、本作はこれまでの映画化作品に忠実に、完璧なスーパーヒーロー像を描いたためではないかと思われる。

 後で、昔観たスーパーマン・シリーズの評価点を確認したが、どれも平均レベルだった。オープニングの胸躍る高揚感は、映画の内容より、映画音楽としての素晴らしさに起因するものだったようだ。