「マーティ」 55米 評価3.5(5点満点) メジャー度1
監督:デルバート・マン
出演:アーネスト・ボーグナイン、ベッツィ・ブレア他
肉屋の店員で34歳のマーティは、いまだに独り者で母親と同居している。優しくて聡明であるが、大柄で太め、個性的な顔つきを気にしている。週末には同じ独身仲間と時間をつぶしているが、どうにか脱却したいと思い、土曜の夜に出かけたダンスホールで、同じく外見に自信のない29歳の高校教師クララと知り合いになり、一晩のうちに意気投合し翌日のデートの約束をする。その土曜、日曜の、マーティと母親とその姉の確執、独身仲間との実のない会話等を描き、アカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞、カンヌ映画祭グランプリを受賞した。
今から50年以上前の映画で、正直、時代が違うという感じがしてしまう。実質2日間の出来事だけを丁寧に描いた内容は秀逸で、映画そのものの質という面では間違いなく上等ではあるが、34歳で独身であることの周りからの風当たり、嫁と姑との確執など、古いなぁという感じ。映画としての良し悪しではなく、主題と、ベースとする背景に時代を超えた普遍性があるかという点で、どうしても観た時代に応じた評価になってしまう。2大映画祭の作品賞を受賞したわりに話題に上ることが少ないのはこのあたりが影響しているのではないか。また、ラスト、独身仲間より、知り合ったクララとの付き合いを優先する場面でいきなり終わるのは斬新であるかもしれないが、肩透かしを感じるのも事実。