「スタア誕生」 54年米 評価4.5(5点満点) メジャー度3
監督:ジョージ・キューカー
出演:ジュディ・ガーランド,ジェームズ・メイソン他
楽団の歌い手であるエスター(ガーランド)はスター俳優ノーマン(メイソン)に才能を見出され,彼によって,ミュージカルスターへと育てられる。二人はやがて愛し合い結婚するが,もともとアルコール中毒のノーマンは素行の悪さから次第に仕事がなくなっていく。頂点へと上り詰めたエスターは変わらぬ愛をノーマンに注いでいたが,ノーマンはこのまま生きていては妻をだめにしてしまうと考え自殺するのだった。
ジュディ・ガーランドは撮影当時31歳だったが,かなり老けてみえるし,個性的すぎる顔であまり好きではない。所々「オズの魔法使い」で見せたのと全く変わらない表情をみせるものの,普通のメロドラマだったらガーランドの外見からとても好きになりそうもない映画だが,彼女のエンターテイナーとしての魅力は圧倒的だ。ミュージカル場面も多いが,彼女の力量で見ごたえあるものとなり,3時間という長さを感じさせない。
メイソンは地味ながら実力ある俳優で,スター俳優としてのプライド,妻に養われているような生活をしている自分への苛立ちと妻を愛する気持ちとの板挟み,自分が磨いた宝石(エスター)を無に帰さないため自殺を決意する様など,絶妙な演技を見せる。
映画関係者の中でカルト的な人気を保っているのも納得がいく名作だ。