「アイ・アム・サム」 01米 評価3.5(5点満点) メジャー度3
監督:ジェシー・ネルソン
出演:ショーン・ペン、ダコタ・ファニング、ミシェル・ファイファー、ダイアン・ウィースト、ローラ・ダーン他
精神年齢約7歳という知的障害を持つサム(ペン)は、ホームレスの女性との間に娘ルーシー(ファニング)をもうけるが、母親となるべき女性は退院と共に姿を消してしまい、サムはスターバックスで働き、隣人のアニー(ウィースト)の助けをかりながら娘を懸命に育てる。しかし、ルーシーが小学生になり、知的水準が父親を追い越そうとした時、児童福祉局が、ルーシーをサムから取り上げてしまう。サムは、ひょんなことから腕利きの女性弁護士リタの無料での協力をうけ、裁判で共に争うことに…。
正直、話の展開は予想通りで特に目新しいことはないし、本作でブレイクした名子役ダコタ・ファニングの確かに上手いけど、上手すぎの泣かせ演技もちょっと過剰な気もするが、主役のペンをはじめ、周りを固める俳優人が芸達者ばっかりなので、非常に安定感のある映画に仕上がっている。とくに、ペンはちょっと前に観た「ミスティック・リヴァー」(作品的にはこっちのほうが後だが)の強烈なイメージとは打って変わった知的障害者を何の違和感もなく演じ、さすがである。
そのような演技という面での安定感や、基本的に知的障害者を描いていながら悪人的な、悪意を持ったような人が出てこない(実在のスターバックスを前面に出しているので、スタバに務めている人を意地悪くは描けなかったのだろう)暖かな雰囲気が全体的に良作というイメージを感じさせはするが、私はすでに、ありきたりの先の見える展開、また子役のお涙ちょうだい演技では、琴線をはじかれない齢になっている。