「下妻物語」 04日本 評価4(5点満点) メジャー度3

監督:中島哲也
出演:深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子他

 ゴスロリ(ゴシック・アンド・ロリータ)ファッションを愛する高校生・桃子は、父親が負債と共に抱えたベルサーチのバッタもん商品を買いに来た、原チャリのヤンキー・イチゴと反発しあいながらも惹かれるようになっていく。今年封切られ話題となった「嫌われ松子の一生」の中島監督の本格的な映画としての初作品。

 個性的な二人を媒体とした女同士の友情を、伝説部分をどぎついアニメで描き、独特のユーモアを随所にちりばめ、非現実的でありながら、純粋に正面から描いた作品である。特にユーモアの出し方がつぼを得ていて、ラストで桃子が饒舌に語るホラ話には大いに笑った。

 しかし私は「嫌われ松子」を先に観たので、この監督独特の映像構成、展開などに新鮮味を感じることはなかったし、「嫌われ松子」では非現実的な描写は誰かの想像が関与した場合に現れ、そうでないときは比較的現実的な描写だったが、今回のように全編非現実的な描写というのは、深みという点では物足りなくなってしまうのは事実で、個性的で面白い作品ではあるが、4までの評価が精一杯か。