「ソードフィッシュ」 01米 評価3(5点満点) メジャー度2
監督:ドミニク・セナ
出演:ヒュー・ジャックマン、ジョン・トラボルタ、ハル・ベリー等
1980年代にアメリカの麻薬取締局が行った極秘作戦“ソードフィッシュ”によって、得られた利益(実話)はいまや95億ドルになっていた。犯罪者ガブリエルは、今は幽閉の身となっているハッカー、スタンリーを雇い、その95億ドルをコンピュータ操作で奪おうとしていた。
公開当時、スピーディな展開、練られた脚本とどんでん返しが話題になり、特に脚本の出来不出来を重視する私にとっては、いつか観ようと思っていた作品。しかし、雑誌の批評はほとんど配給会社の息がかかっており、あまり悪く書けないという事情もあろうが、この程度の脚本を褒める評論家が多いとは大いに失望させられた。
何しろラストのどんでん返しが、「死んだと思っていた人間たちが実は生きている」という、いってみれば夢落ちのようなもの。こういうのは脚本が練られているというのではなく、ただ単に投げだされただけだ。スピーディな展開はよしとするが、目新しいものはなにもない。また、ガブリエルはテロリストを抹殺する目的で金を奪うため銀行を襲い、犠牲者も出すのだが、テロリストを制裁するために一般市民の犠牲を払ってもよいという「アメリカは世界の守護神」的なラストも胸糞悪い。
収穫はヒューが若いころのクリント・イーストウッドに似ておりかっこいいことと、ハル・ベリーのアカデミー賞女優らしからぬ見事な肢体。