「我等の生涯の最良の年」 46米 評価3.5(5点満点) メジャー度2
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:フレデリック・マーチ、ダナ・アンドリュース、ハロルド・ラッセル他
第二次世界大戦が終わり、偶然同じ飛行機で故郷に帰還した3人の、家族、夫婦、恋人とのその後の生活ぶりを描いたドラマ。中年銀行員は元いた職場に戻るが、二人の子供の成長振りに戸惑う。デパートのサービス員の男は、戦時中の給料で贅沢を覚えた妻との仲がうまくいかなくなり、離婚する。両腕を失った若者は婚約していた幼馴染との結婚に後ろめたさを感じる。アカデミー賞では、作品賞、監督賞をはじめ8部門を受賞。
「ローマの休日」「ベンハー」などの名作を手がけてきた名匠だけあり、戦後すぐという時期を考えれば、精一杯の戦争の後遺症を描いたり、戦争の意味というものに疑問を投げかけてはいる。しかしやはり赤狩り等が怖い時期、アメリカ万歳的な色で染められていることは否定できず、アメリカ以外の国では名作といわれ続けているわけではない理由はそこにある。ただ、演出は細部にわたって緻密でリアルでもあり、俳優達も達者で、アメリカの強者ぶりだけを描いた単純な戦争映画とは一線を画する。