「ロード・オブ・ザ・リング」 01米 評価4(5点満点) メジャー度5
監督:ピーター・ジャクソン
出演:イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン、ビゴ・モーテンセン他
遠い昔、闇の冥王サウロンが作り出したひとつの指輪は世界を滅ぼす魔力を秘めていた。しかし、中つ国のエルフ、人間等の種族の連合軍との戦いに敗れたサウロンは指を切り落とされ、その指輪は人間の手に渡った。しかし、サウロンの魔の力を持った指輪は持ち主に災いをもたらし、いつからか行方知らずとなる。その後数千年の間に指輪の話は伝説へ、そして神話となったのだが、ある時、ホビット族のビルボがその指輪を拾う。そのビルボから指輪を譲り受けたフロドは、魔法使いガンダルフから指輪の秘密を知る。
サウロンの魂は指輪とともに生き残り、再び世界をその支配下におくべくこの指輪を必死になって探していた。指輪が渡ってはまた世界は闇の中。フロドはその指輪を「滅びの亀裂」に投げ込むため、冒険の旅に出る。
まもなく第3作完結編が公開されるシリーズの第一作。第三作はこの種の映画としては異例のアカデミー賞11部門ノミネート。同時期に公開されたハリポタシリーズと似たようなイメージを持っていたが、どうやら大人の鑑賞には堪えないという噂も聞こえるハリポタとは違うようなので観てみた。
よくできている。CGをふんだんに使いながらもあくまで主人公は様々な種族の登場人物たち。それぞれの性格が丁寧に描かれるので、各人の物語上の持つ意味がわかりやすい。あと、感心するのが、あくまでこれはお伽噺であるという一線を越えないこと。人間的な鼻につく演出は極力抑えているし、妙に教訓じみたものも感じさせない。別に原作を読んだわけではないが、それが3作目まで作っても、回を重ねるごとに興行収入が挙がっている要因であろうと考えられる。
確かに、たくさんのエピソードがありすぎて、どれもがある意味簡単に通過されるのだが、それは分厚い原作の「指輪物語」を考えれば致し方ないか。主題が、化け物の出現とそれを倒すことではないのでその辺をはしょったことでかえって物語の本質を見失わないという見方もできるし。
笑えたのは「マトリックス」のエージェント・スミス役のヒューゴ・ウィービングが美しい種族エルフの長の役をやっていたこと。