「パンドラの箱」 29独  評価3(5点満点) メジャー度1

監督:G・W・パプスト
出演:ルイズ・ブルックス、カール・ゲーツ、フリッツ・コルトナー他

 父も母もないルルは養父にダンサーとして育てられ、今は、自身の妖艶な魅力を利用して博士の愛人として気ままな生活をしていた。しかし、その奔放な生活ぶりから身の破滅を察した博士から自殺を勧められたときに、逆に博士を殺してしまう。有罪となったルルだが、養父らに助けられ逃亡生活を始める。しかし貧困の極みの生活の中、ルルは娼婦にまで身を崩すのだった。

 無声映画の傑作のひとつとして数えられ、2時間を越える長さでありながら飽きることがない。なんといってもルルを演じた女優がはまり役である。しかし、評価を下げたのは日本語の弁士。NHK衛星の放送を録画したものを見たのだが、台詞は棒読みで、自身による場面の掘り下げがないまったくの下手糞で、これなら弁士なしで見たほうが良かった。