「マトリックス レボリューションズ」 03米  評価3.5(5点満点) メジャー度5

監督:ラリー&アンディー・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス他

 人工頭脳が送り込む戦闘機センティネルVSザイオンの人間の戦いの時が刻一刻と近づいてくる中、ネオは再び予言者に会い、そこから得た話をヒントにトリニティと共に今や人工頭脳の支配下にある地上へと向かう。ネオの目的は、マトリックスの中で大量増殖し、人間にとっても人工頭脳にとっても脅威となっているスミスを倒すことで現在の戦争を止めさせようと人工頭脳のボスと取引することだった。そのころ、ザイオンに到達した大量のセンティネルは物量に物を言わせザイオンを制圧しようとしていた。

 はっきりいうと消化不良である。2作目で残された伏線、たとえばなぜネオは現実世界のセンティネルを念じるだけで破壊できたのか、現実の人間に乗り移ったスミスの取る行動は?などがいまいち中途半端な結論、又は有耶無耶にされてしまっている。ラストはネオがスミスに負け、スミスのプログラムを書き込みされたその瞬間に人工頭脳がスミスのプログラムを破壊するというものだが、それならネオはスミスに勝ってないじゃん。ネオじゃなくてもスミスを破壊できるじゃん。ということになる。

 しかし、センティネルVS人間の戦いのシーンは凄まじい。CGでここまでできるようになったのかと感動すらする。なので2時間半をこえる長編でありながら飽きることはない。

 しかし、冷静に考えるとこの終わらせ方しかなかったのも事実。あまりに人工頭脳は巨大化しすぎて、とても人間の力でどうにかなるものではなくなってしまっていた。それでもマトリックスを破壊できたら、それはそれで嘘っぽくなっていただろう。結局ネオは殉死したが、世界の構図は変わらず、人間はまた何百年と地下に住むことになり、何百年後にまたネオのような救世主が来るのを待つのだろう。寂しい終わり方がかえって余韻を残す。