「グラディエーター」 00米 評価4(5点満点) メジャー度4
監督:リドリー・スコット
出演:ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス、コニー・ニールセン他
ローマ帝国全盛の時代。数々の戦で戦績を上げている将軍マキシマスは年老いた皇帝のお気に入り。しかし皇帝の息子であるコモドスは、父が皇帝の座をマキシマスに譲ろうと考えていることを知り、父を殺すと共にマキシマスの処刑を決める。マキシマスは自力で処刑を逃れたものの、妻子も殺され最果ての地でグラディエーター(剣闘士)となる。無敵の剣闘士となったマキシマスはローマで開かれている大会で、コモドスに対する復讐を誓う。
話自体は、愛する皇帝、妻子を殺され、将軍から奴隷まで落とせるところまで身を落として、最後に皇帝に復讐するという「ベンハー」によく似たオーソドックスなものなのだが、戦闘シーンはもちろん、古代ローマ帝国の時代を壮大なCGで作り上げた点や、強そうで女の弱さを垣間見せるコモドスの姉を効果的に話の要所で絡ませ、2時間半近くの長編を飽きさせることなく惹きつける手法は「エイリアン」「ブレードランナー」等、時代を変える作品を作ってきたリドリー・スコットの面目躍如といったところ。逆にスコットらしさというとローマのCGだけという気はするが。
ラッセルはこのころはブレイクする直前。もともと野暮ったい顔をしているのでマキシマスは適役。ホアキンも兄リバーとは似てもにつかぬ野暮ったさでローマの時代のお坊ちゃま皇帝の役がぴったり。また、脇をかつての名優が固めているため、アクション映画にありがちなアクション偏重になっていないところも好感が持てる。抜きん出るところはないが、アクション映画としてもドラマとしてもよくできた作品である。