「審判」　６３年仏・伊・西独　　評価３．５（５点満点）　メジャー度１

監督：オーソン・ウェルズ
出演：アンソニー・パーキンス，オーソン・ウェルズ他

　近未来，ある大会社の若き副支配人ジョゼフ・Ｋはある朝突然，身に覚えのない罪によって逮捕状態であると宣告される。彼の苦悩の日々を，弁護士，裁判を絡め描いていく。

　実存主義文学者のカフカの同名小説を忠実に映画化している。カフカの作品はとても抽象的・象徴的であり，訳が分からないが(私に理解する能力がないともいう)，全く忠実に映像化しており，それでも原作の持つ幻想的な雰囲気を損なっていないのだから，オーソン・ウェルズの力量が知れようというもの。普通だったら全くくだらなくなってしまうものを，映像の斬新さ等で一気に見せてしまう。

　確かに内容は良く分からないし，つまらないという人も多いだろうが，平均点以上の点はつけられる。