あけましておめでとうございます。今年も私の偏見に満ちた映画評論をお楽しみに。さて,1999年は見た映画の数が少なかったので、ベストテンならぬベスト5を発表します。
第1位
「シャイン」評価4.5 メジャー度2
製作年:96年豪
監 督:スコット・ヒックス
出 演:ジェフリー・ラッシュ、ノア・テイラー他
最良の役者,ドラマチックな内容ながら実話という説得性および悪人が出てこない性善説的な内容といい,ドラマチックでありながらほのぼのとさせる心温まる映画である。
第2位
「父の祈りを」評価4.5 メジャー度2
製作年:95年英
監 督:ジム・シェリダン
出 演:ダニエル・デイ・ルイス,エマ・トンプソン他
この映画も役者がすばらしい。が,内容はかなりヘヴィーだ。父と子の絆を深く考えさせる作品。
第3位
「デルス・ウザーラ」評価4.5 メジャー度1
製作年:75年ソ連
監 督:黒澤明
出 演:ユーリー・ソローミン,マキシム・ムンズーク他
黒澤の最後の傑作と呼んで差し支えないだろう。ソビエト資本ということで,創作的な美術にかける金がとれなかった反面,自然という最良の美術を使うことで映画の風景をうまく描き出せている。
第4位
「スタア誕生」評価4.5 メジャー度3
製作年:54年米
監 督:ジョージ・キューカー
出 演:ジュディ・ガーランド,ジェームズ・メイソン他
ミュージカルスターとなった女性の人生を,それを支えた元スターの夫の落ちぶれていく姿と共に描いた作品。当時のハリウッド映画には珍しく正直にショウビズ界の内幕を描き,また安易なハッピーエンドにしなかったという点でも評価してよかろう。
第5位
「どですかでん」評価4 メジャー度2
製作年:70年日
監 督:黒澤明
出 演:頭師佳孝、判淳三郎、井川比佐志他
黒澤が日本で作った最後の傑作。黒澤のヒューマニズムが感じられる最後の作品である。
ついでにワースト3も。
ワースト1
「インデペンデンス・デイ」評価1.5 メジャー度5
製作年:96年米
監 督:ローランド・エメリッヒ
出 演:ウィル・スミス、ビル・プルマン、ジェフ・ゴールドブラム他
初めて眠くなったSFアクション映画。どこかで見たような古臭いストーリー展開,ご都合主義のはちゃめちゃな設定。勢いをそぐ甘ったるくかったるい演出。タカ派のアメリカ人しか喜ばない「アメリカ万歳!」的なラスト。超ヒット作であるがため、本当に気持ち良いほどこき下ろしがいがある超駄作である。
ワースト2
「情事」評価1.5 メジャー度1
製作年:60年伊
監 督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出 演:モニカ・ビッティ,ガブリエル・フェルゼッティ他
話は訳がわからず,平坦に進んで行く。不倫なんて現代となってはショッキングな内容でもない。
ワースト3
「マルメロの陽光」評価1.5 メジャー度1
製作年:92年スペイン
監 督:ヴィクトル・エリセ
出 演:アントニオ・ロペス 他
ヴィクトル・エリセの久しぶりの新作ということで期待していたが,画家のドキュメント。私は別にドキュメントを見たいわけじゃない。ドキュメントとしての評価がどうかはわからないが。